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子供の頃 よく長期休みになると
祖父母の家に遊びに行った
ウィーンから列車に揺られて
2時間 都会を離れ
段々と田園地帯が広がる
丘を登り
豊かな自然に囲まれた
まるで晴天の空色に
彩られた家に近づくと
祖母が私の為に作ってくれた
焼き立ての
お菓子の甘い匂いで
辺りが包まれている
特に一番美味しかったのが
ルビーのようなアカスグリの実を
ジャムにして挟み
格子状の模様がついたケーキだ
「おばあちゃん このお菓子
名前はなんて言うの」
すると祖母は私に
「まだ名前はないの
可愛い孫のリンツァー
あなたの為に作ったから
リンツァートルテなんてどうかしら」
画してリンツァートルテは
オーストリアを代表する
お菓子となったのよと
暖炉の火の前でセーターを
編む手を止め
膝に小さな孫娘のザッハを乗せ
彼女の頭を撫でながら
リンツァーおばあちゃんは
誇らしげにウィンクした
祖父母の家に遊びに行った
ウィーンから列車に揺られて
2時間 都会を離れ
段々と田園地帯が広がる
丘を登り
豊かな自然に囲まれた
まるで晴天の空色に
彩られた家に近づくと
祖母が私の為に作ってくれた
焼き立ての
お菓子の甘い匂いで
辺りが包まれている
特に一番美味しかったのが
ルビーのようなアカスグリの実を
ジャムにして挟み
格子状の模様がついたケーキだ
「おばあちゃん このお菓子
名前はなんて言うの」
すると祖母は私に
「まだ名前はないの
可愛い孫のリンツァー
あなたの為に作ったから
リンツァートルテなんてどうかしら」
画してリンツァートルテは
オーストリアを代表する
お菓子となったのよと
暖炉の火の前でセーターを
編む手を止め
膝に小さな孫娘のザッハを乗せ
彼女の頭を撫でながら
リンツァーおばあちゃんは
誇らしげにウィンクした
ファンタジー
公開:18/07/15 22:52
更新:18/11/17 00:13
更新:18/11/17 00:13
春星と申します
自宅では一児の親
職場では会社員
そして通勤電車の中では
自称ショートショート作家に
大変身‼︎
長い冬眠から目が覚め
久々に復帰しました
また皆様宜しくお願い致します!
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