リピート記号2

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「私は堂々と生きている。」

仏像の鼻の穴は悠々と通り抜けられたぐらい、微生物であった私には海が X倍も大きく見えた。だから鮎の背ビレでも雄々とブルーシートを広げられた。「騒々しいのが心地良いな。」こうやって鞭毛を海流の尾で洗うのが日課であった。

だが、海洋の日常には突飛な話を持って降りて来る主がいる。そこには見たこともない大きな動物がいた。頭のてっぺんには数えられないぐらいの繊毛があり、彼は「俺には君が小さいが見える」と、この私を手の甲で、丸い指先の上に小さく乗せた。彼は確かに私を見つめてそう呟いたが、私の宿主だった鮎を両手で掬った。

また私は一人取り残された。海の中にはいつもの寂しさが漂う。周りを見渡すと、もうそこには大きな動物がいなかった。「まだ私は鮎にはなれないのか?」助かったという安堵と、選ばれなかったという侘しさはあった。それでもあと一周だと、一行目の気持ちに目をやった。
青春
公開:18/07/17 00:00
更新:18/07/17 01:47

こはく(はっぱむし)( 岡山生まれ大阪育ち )


最近映画見に行ったり
本読んだりを楽しんでます。

特に世界観凝った作品、面白いなと思います。(´ω`)

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