しあわせの王子

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ある日の夕方のことだ。買い物の帰り道、娘が傷ついたツバメを見つけた。
「お母さん、この子助けてあげて」
正直、困った。ウチにはお金がない。
先日やっと離婚したDV夫がその殆どを持って行ったからだ。
今は母娘二人でも辛いが、少しでも娘に笑顔になってもらいたい。
「いいわよ。ちゃんと介抱してあげるのよ」
「うん!」
私達はその日、傷だらけの手を繋ぎ、傷だらけのツバメを拾った。

介抱の甲斐もあり、ツバメは見る見るうちに元気になった。さすが若いだけのことはある。
ツバメは私達にお礼がしたいと言ってきた。
恩を返すべく働くと言って、私達の家計を、家庭を助けてくれた。
優しいツバメに娘も懐いた。
そんなツバメがある日、私に衝撃の告白をしてきた。
「年の差なんて関係ない!僕はあなたを心から愛しています。結婚してください」
あの時拾った若いツバメは今、私の夫となって私と娘を幸せにしてくれている。
公開:18/07/16 19:21

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