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広い庭つきの一軒家を購入した。
爺さんが独りで住んでいたらしく、鬱蒼とした木々が生い茂っていた。
「この鬱陶しい葉っぱは始末せんとあかんな」
さっそく木の葉を刈り込み、庭の草花もすべて引っこ抜いた。
ああ、スッキリした。
おれは労働の疲れから、すぐ眠りについた。
が、次の日、庭に出てびっくりした。
半日がかりで始末したはずの植物どもは、何事もなかったように復活していた。
「なんや、元に戻っとるがな!」
実に不可解な現象だったが、今度は木を根元から切り倒し草花はバーナーで焼き払った。
さすがに、これで大丈夫やろ。おれは安堵して眠りについた。
が、次の日、またしても植物どもは完全復活した。
「ぐぬぬ!」
次の作戦を練っていると鳥たちがやってきた。
そして木の枝に止まり、楽しそうにおしゃべりを始めた。
おれは植物の駆除をあきらめ、この素敵な一軒家で楽しい独り暮らしをはじめる事にした──。
爺さんが独りで住んでいたらしく、鬱蒼とした木々が生い茂っていた。
「この鬱陶しい葉っぱは始末せんとあかんな」
さっそく木の葉を刈り込み、庭の草花もすべて引っこ抜いた。
ああ、スッキリした。
おれは労働の疲れから、すぐ眠りについた。
が、次の日、庭に出てびっくりした。
半日がかりで始末したはずの植物どもは、何事もなかったように復活していた。
「なんや、元に戻っとるがな!」
実に不可解な現象だったが、今度は木を根元から切り倒し草花はバーナーで焼き払った。
さすがに、これで大丈夫やろ。おれは安堵して眠りについた。
が、次の日、またしても植物どもは完全復活した。
「ぐぬぬ!」
次の作戦を練っていると鳥たちがやってきた。
そして木の枝に止まり、楽しそうにおしゃべりを始めた。
おれは植物の駆除をあきらめ、この素敵な一軒家で楽しい独り暮らしをはじめる事にした──。
ファンタジー
公開:18/07/16 19:05
更新:18/09/17 16:35
更新:18/09/17 16:35
北オーストリアの農家
(੭∴ω∴)੭ 渋谷獏(しぶたに・ばく)と申します。 小説・漫画・写真・画集などを制作し、Amazonで電子書籍として販売しています。ショートショートマガジン『ベリショーズ』の編集とデザイン担当。
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