祖父母が孫に買う定期券
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「タカシ。おじいちゃんから郵便よ」
おじいちゃんからの郵便の中身はわかっている。列車の定期券だ。家の最寄り駅からおじいちゃん家の最寄り駅までの6か月定期券。それを半年ごとに送ってくる。
いつでも遊びに行けるように。いつでも遊びにおいで、と。しかし、この半年、一度も定期を使わなかった。おじいちゃん家は隣の県だ。とは言え、半年定期となると10万円を超える。いくら定期を送っても孫は一向に来ない。それでも送り続ける。
何かあったらおいで。お父さんやお母さんに相談できないようなことがあったら、いつでもおいで。
気持ちが痛いほどわかる。わかるからこそ、なかなか行けない。一度行ったら毎週いかなければならないような、義務感に襲われそうだ。そんな気持ちでおじいちゃんやおばあちゃんに会いたくはない。
そんな風に思っていた。
孫がどれほど大切でかわいいか、あの頃の僕にはわからなかったんだ。ごめんね。
おじいちゃんからの郵便の中身はわかっている。列車の定期券だ。家の最寄り駅からおじいちゃん家の最寄り駅までの6か月定期券。それを半年ごとに送ってくる。
いつでも遊びに行けるように。いつでも遊びにおいで、と。しかし、この半年、一度も定期を使わなかった。おじいちゃん家は隣の県だ。とは言え、半年定期となると10万円を超える。いくら定期を送っても孫は一向に来ない。それでも送り続ける。
何かあったらおいで。お父さんやお母さんに相談できないようなことがあったら、いつでもおいで。
気持ちが痛いほどわかる。わかるからこそ、なかなか行けない。一度行ったら毎週いかなければならないような、義務感に襲われそうだ。そんな気持ちでおじいちゃんやおばあちゃんに会いたくはない。
そんな風に思っていた。
孫がどれほど大切でかわいいか、あの頃の僕にはわからなかったんだ。ごめんね。
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公開:18/07/15 20:38
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