既視感

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どこかで見たことがある。そんな既視感はよくあるものだ。
とある美術館、その他にも美しい絵は沢山あった。その中の一枚に心奪われた。強い既視感とともに僕は何かに取り憑かれたかのようにいつまでもその絵を見続けていた。
そして、その絵はとても有名な絵らしいし、木々や花々に囲まれた一軒家という構図はその絵でなくともあるわけで、それと勘違いしている可能性もあった。

しかし、そうではなく。

僕はその家を「知っている」のだ。
その通った家をよく知っている。描かれていない、家の中を。その家の本棚の位置や少し縁がかけたティーカップを置いている場所でさえ。

北欧の風景のはずだ。しかし、なぜその家の奥に彼女がいたことを知っているのだろう。
忘れてはならない女性。忘れたくなかった女性。なぜ。なぜ。なぜ。

ふと、自分と同じように絵を見ながら涙を浮かべる女性の存在に気付く。そして二人同時に…
『君の名(自粛)
ファンタジー
公開:18/07/15 09:14
更新:18/07/15 09:16

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