小さな勇者

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サリーはどこか、物憂げな顔をするようになりました。そういうものだとドラゴンは考えました。出会った頃よりも、サリーは美しく成長しましたから。話し方も大人びて、ドラゴンの大好きだった笑顔は女神のような輝きを放つまでになりました。そうなれば秘密の一つや二つ。少し寂しく思いましたが、人間なんてそんなもの。ドラゴンは「最近悲しそうだね」と聞くにとどめていました。
「ドラゴン、貴方はずっとここにいる?」
「いるさ、神様とサリーがいるからね」
サリーはまたあの憂いの笑顔を浮かびます。
あくる日、沢山の人間が武器を持ってやってきました。神様を独り占めする悪いドラゴンを倒す為です。先頭はあのサリー。竜騎士姿の彼女は美しかった。
ああサリー、ごめんね、知らなかったよ!ドラゴンはやっと、サリーの心を知りました。
泣き虫サリー。おいで。一緒に飛ぼう。僕の心臓を君にあげる。泣かないで大丈夫、神様は君の味方だからね。
ファンタジー
公開:18/07/11 08:00
小さな童話

風月堂( 札幌 )

400文字の面白さに惹かれて始めました!
文字や詩のようなものを書くのが趣味です。
情緒不安定気味でアゲサゲ落差のひどい人間ですw
いろんな方々の作品を読んで、心を豊かにしていきたいです。

無料の電子書籍をつくりました。
『ショートショート作品集カプセルホテル【】SPACE』
a.co/1VIyjHz

『枇杷の独り言』
ショートショートコンテスト『家族』最優秀賞頂きました。

写真は全て自前でやっています(笑)

こちらで写真を紹介、ハガキにと販売しております!
https://minne.com/@sakoyama0705  - ハンドメイドマーケットminne(ミンネ)

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