白雪姫

彼女を一目見た時、形容しがたい感情が心の底から沸き立った。
透き通った白磁の肌、微かに色づいた頬、高級な人形を思わせる長い睫毛。
この世のものと信じ難い造形美、とでも言えばいいだろうか。
少なくとも人生で出会った女性の中で最も美しいと、心からそう思ったのだ。
歩いている姿や微笑む顔を想像しても、棺桶の中で眠る今の貴女に勝るものはない。
物言わぬ貴女は一等綺麗だ。
いとおしむように真っ赤な唇に口づけを施すと、瞼が微かに動いた。
むくりと上体を起こした彼女は、その大きな瞳をぱちぱちと瞬かせながらこちらを見つめている。
私は喉から絞り出すように声を漏らした。

「なんということだ.....！」