マシマシのマシ

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ラーメンを食べにきた。目的は、マシマシだ。マシマシとは、ラーメンの上に乗せる野菜の量のことを指している。ノーマルが普通。マシが小山が出来るくらい。マシマシがタワーだ。
満席だった席が空いた。私はそこに座る。
「ラーメン、マシマシで」
「あいよ!」
大将の威勢の良い声が店内に響く。
ほどなくして、ラーメンが運ばれてきた。
うむ、これはタワーだ。
とりあえず、上から崩していくことにする。
箸で野菜を掴み、口に入れる。
「?」
あまり美味しくない。野菜のシャキシャキ感、みずみずしさ、どちらもない。なんだこれは。期待外れじゃあないか。
私はあまり美味しくない野菜と格闘した。麺まで辿り着く気配は一向にない。そそらない食欲で必死に野菜を食べ続けていたが、お腹がいっぱいになってしまった。
仕方ない。私は店の外へ出た。
そこで、声を掛けられた。
「マシマシ食べましたね? あれ、ラーメンよりマシなんですよ」
その他
公開:18/07/12 00:46
更新:18/07/12 19:54

undoodnu( カントー地方 )

構成の凝った作品が好きです。
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