お弁当サーカス~遠足公演~

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遠足のお昼時間、レジャーシートに座った僕が紅白色の巾着テントを左右にかき分けると、胸の高鳴りと共にひとたびサーカスの幕は開く。
掴みである一番目の演目、おにぎりのツナ渡りにノリノリになったところですかさずミートボール乗りの曲芸が照らされる。やけるようなあんを翻しミートボールをコロコロと転がすその横では、香ばしい竹輪をマルチーズがぴょんとくぐり抜け、獅子等も後に続いた。
箸の空中ブランコはから揚げと玉子焼きを行ったりきたりと宙を舞い、満を持して出てきたピエロによる骨付き肉のジャグリングは、スパイスでぴりぴりした口に真っ赤な鼻のミニトマトを添えてすっきり爽快な演出だ。お口直しのゼリーもトランポリンのように跳ね回る。
フィナーレを迎える頃には胸もお腹もいっぱいで、僕は最高の気分で両手を打った。

お母さん団長の次回公演、運動会は五ヶ月後。
僕は待ちきれない気持ちいっぱいに、緑の中をジャンプした。
その他
公開:18/07/11 23:30
更新:18/07/13 22:34
そるとばたあ式 オマージュ

ゆた

高野ユタというものでもあります。
幻想あたたか系、シュール系を書くのが好きです。

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