野生のマーガレット
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家の近くにお地蔵さんが祀ってある。
毎朝近所のおばあちゃんが花と水を供えている。
隣には小さなベンチが置いてあり、よく、おばあちゃんがちょこんと座っている。
おばあちゃんはマーガレットが好きなのか、春から初夏にかけて、毎日マーガレットを供えている。
この前は、お地蔵さんの頭にマーガレットでできた花冠が飾ってあった。
今日もお地蔵さんの前を通ると、隣におばあちゃんが座っていた。
うれしいことでもあったのか、ニコニコと笑っている。
つい、話しかけた。「何か良いことがあったんですか?」
すると、「今ね、お父さんとしりとりをしているところ」と言う。
「お父さん?」
「あら、ふふ。このお地蔵さんね、お父さんに似ているのよ」
突然、強い風が吹き上げた。目に埃が入る。数度瞬きをして目を開くと、
目の前は草原だった。そこに幼い少女と父親が座っている。
傍らには野生のマーガレットが静かに佇んでいた。
毎朝近所のおばあちゃんが花と水を供えている。
隣には小さなベンチが置いてあり、よく、おばあちゃんがちょこんと座っている。
おばあちゃんはマーガレットが好きなのか、春から初夏にかけて、毎日マーガレットを供えている。
この前は、お地蔵さんの頭にマーガレットでできた花冠が飾ってあった。
今日もお地蔵さんの前を通ると、隣におばあちゃんが座っていた。
うれしいことでもあったのか、ニコニコと笑っている。
つい、話しかけた。「何か良いことがあったんですか?」
すると、「今ね、お父さんとしりとりをしているところ」と言う。
「お父さん?」
「あら、ふふ。このお地蔵さんね、お父さんに似ているのよ」
突然、強い風が吹き上げた。目に埃が入る。数度瞬きをして目を開くと、
目の前は草原だった。そこに幼い少女と父親が座っている。
傍らには野生のマーガレットが静かに佇んでいた。
ファンタジー
公開:18/07/11 19:20
文章を書くのが大好きです。
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