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二人はある坂道にやってきた。
「ここなんだよ、不思議な坂」
「不思議な坂?」
「そう、下に曲がり角があるだろ。下っていくと同じような曲がり角が4つあるんだけど、それを全部左回りで下っていくと元に戻ってくるんだ」
「下っていくのに、ここに戻ってくるの?」
「そう、戻ってくる。とりあえず行ってみようか」
「ほんとだ、戻ってきた。ということは、逆に上っても戻るわけ?」
「そう、上ってみようか」
「戻ってきた」
「不思議だろ」
「じゃあ、別々に行っても戻るのかな? 俺が下って、お前が上る」
「そんな発想はなかった! 行ってみるか」
「行ってみよう。じゃあ、また会おう!」
「おお、また会おう!」
二人は二度と、会うことはなかった。
「ここなんだよ、不思議な坂」
「不思議な坂?」
「そう、下に曲がり角があるだろ。下っていくと同じような曲がり角が4つあるんだけど、それを全部左回りで下っていくと元に戻ってくるんだ」
「下っていくのに、ここに戻ってくるの?」
「そう、戻ってくる。とりあえず行ってみようか」
「ほんとだ、戻ってきた。ということは、逆に上っても戻るわけ?」
「そう、上ってみようか」
「戻ってきた」
「不思議だろ」
「じゃあ、別々に行っても戻るのかな? 俺が下って、お前が上る」
「そんな発想はなかった! 行ってみるか」
「行ってみよう。じゃあ、また会おう!」
「おお、また会おう!」
二人は二度と、会うことはなかった。
SF
公開:18/07/08 23:01
更新:18/07/11 20:37
更新:18/07/11 20:37
数学
算数
物理
パラレルワールド
第27回ゆきのまち幻想文学賞「大湊ホテル」入選
第28回ゆきのまち幻想文学賞「永下のトンネル」長編佳作
一期一会。
気の向くままに書いては、読んで、コメントしています。
特に数学・物理系のショートショートにはすぐに化学反応(?)します。
ガチの数学ショートショートを投稿したいのですが、数式が打てない…
書こうと考えてもダメで、ふと閃いたら書けるタイプ。
最近は定期投稿できてないですが、アイデアたまったら気ままに出没します。
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