1
68

医療技術の発展とは素晴らしいもので、ついにスポーツ選手を長年苦しめ続ける「体内の爆弾」を取り出すことに成功した。
その一報を聞いて、プロ野球投手である私も肩の爆弾を摘出することにした。
今、私の目の前にはカチコチと音の鳴る真っ黒な爆弾があった。
「これが貴方の肩に埋まっていた爆弾です。どうですか?」
「肩の不安感がなくなりました。凄い技術ですね」
「ええ、後はこの爆弾を爆破させるだけですが宜しいですか?」
「是非ともお願いします。長年私を苦しめ続けた爆弾が木っ端微塵になる所をこの目で見たいです」
「分かりました」
医者はそう言うと手元の爆破スイッチを押した。爆弾は木っ端微塵だ。ざまあみろ!
スッキリした私は椅子から立ち上がる。
!!
膝に激しい痛みが走った。
「どうやら爆弾は膝にもあったようですね。小さすぎて気付きませんでした」
医者は残念な表情を浮かべる。
「選手引退するしかないですね」
公開:18/07/11 19:00

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容