鮫、ぐるぐる

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テカテカの太陽が空に浮かんでいる。私はゴムボートに乗り、海の上で揺れている。極楽、極楽。いい気分だ。

デーデン!デーデン!

ん、ゴムボートの周りにたくさんの黒い影が。クルクル回っている。まさか鮫か?間違いない、鮫だ。こんなに囲まれちゃどうしようもない。天に任せるのだ。寝てしまおう。

グーグーグー

目が覚める。どうやら生きているようだ。痛いところもない。あたりを見回すと、水柱ができている。どうやら私は海の底だった砂の上にいるようだ。水柱はくるくる回っていて、中にゴマのような黒い点が確認できる。あれが鮫のようだ。鮫、くるくる回りすぎて渦を作り、水の柱を作ってしまったようだ。しばらく見ていると、黒い点が一つ一つ赤に染まっていく。ああ、鮫、自分たちが作った水柱の回転による円心力に耐えられず体が裂けてしまっているのだな。

鮫が死ぬと、水柱も自然消滅し、元の海へ戻った。私は神に感謝した。
ファンタジー
公開:18/07/07 01:22

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