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「暑い中ご苦労様です。丁度今スイカが冷えていまして、良かったらどうぞ」
暑い中、取引先に顔を出した甲斐があった。冷えた麦茶とスイカが体に染みる。
「今回はこれでどうでしょう?」
相手の出した条件を確認する。
「高いですね。もう少し安くして頂けなければウチでは難しいです」
「そこを何とか!先ほど食したスイカのように、この条件を垂下してもらえないでしょうか」
「そうしたいのは山々ですがこのスイカ、そこまで甘くないです。これでは塩がないと食べられたものではありません。申し訳ありませんが塩対応とさせてもらいます」
「それでしたら砂糖を試してみてはくれません?スイカに砂糖、以外に合いますよ。どうか、この砂糖のようにもう少し甘めに見てくれませんか?」
スイカに砂糖…考えてもみなかったが確かに悪くない。
私は条件にいくつかの上乗せをして取引を成立させた。
食した四角いスイカのように変わり種も悪くないな。
公開:18/07/08 18:49

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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