40. カシスソーダの宇宙

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昨日の夜 輝いてた火星は

夜空のどの星よりも 赤く 赤く 
燃えていた

そんな火星に 負けない色の
カシスソーダを

まだ半分も飲まないうちに 床一面に こぼしてしまった

あなたの そのやわらかい唇が
サヨナラを 告げた瞬間
二人の足元が 小さな宇宙に変わった

私は 吸いよせられていく 崩れ落ちながら

赤い 赤い カシスソーダ
壊れたグラスには もう戻れないの?

天の川みたいな カシスソーダ
あのとき交わした二人の約束は
もう叶えられないの?

見上げたら あなたは腕を伸ばして
私を起こしてくれた

でももう その手は 少しも温かくなかった


あなたが 旅立って行く 後姿を見ないようにして

私はカシスソーダを キライになりたくなくて

もう一杯(ふたたび) 頼んだ…。
恋愛
公開:18/07/08 09:00
更新:18/07/16 02:37

ことのは もも。( 日本 関西 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていこうと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

カントー地方在住
 

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