夢幻妖魔伝【夢喰い】
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男は、数年ほど夢を見ていない。
もしや魔物の仕業かと稲荷神社に向った。そこに魔物に詳しい巫女がいるらしいのだ。鳥居を潜り、巫女を呼び出すと事情を話した。
「夢喰いのようね」
そう言い五芒星の描かれた紙に呪文を綴った護符を差し出した。
夜。男は疑心暗鬼で枕の下に護符を敷いて眠った。
丑三つ時。口が嘴のような妖怪が現れた!
「チッ、余計なことをしおって」
男は、金色に輝く天守閣を見上げていた。これは夢だ!私は夢を見ている!魔物は退散した!男は駆け出し、天守閣の扉を開け、階段を駆け上がり、和室の襖を開けた。窓の向こうは広大な街並みが輝いている。夢に震えた。
男は空を見上げあの巫女を浮かべていた。
「いい女だったな……」
「じゃあ、食事でもご馳走してよ」
振り向くと巫女が立っていた。
「人の夢に忍び込めるのよ、私」
「それは僕に興味があるから?」
「だったら?」
二人の影が重なって消えた。
もしや魔物の仕業かと稲荷神社に向った。そこに魔物に詳しい巫女がいるらしいのだ。鳥居を潜り、巫女を呼び出すと事情を話した。
「夢喰いのようね」
そう言い五芒星の描かれた紙に呪文を綴った護符を差し出した。
夜。男は疑心暗鬼で枕の下に護符を敷いて眠った。
丑三つ時。口が嘴のような妖怪が現れた!
「チッ、余計なことをしおって」
男は、金色に輝く天守閣を見上げていた。これは夢だ!私は夢を見ている!魔物は退散した!男は駆け出し、天守閣の扉を開け、階段を駆け上がり、和室の襖を開けた。窓の向こうは広大な街並みが輝いている。夢に震えた。
男は空を見上げあの巫女を浮かべていた。
「いい女だったな……」
「じゃあ、食事でもご馳走してよ」
振り向くと巫女が立っていた。
「人の夢に忍び込めるのよ、私」
「それは僕に興味があるから?」
「だったら?」
二人の影が重なって消えた。
ファンタジー
公開:18/07/07 21:34
更新:18/07/08 14:15
更新:18/07/08 14:15
夢
魔物
巫女
ショートショートの神様、星 新一を崇拝しています。お笑い好きで怪談も好き。
お笑いネタのような作品が多いですね(笑)
【受賞作品】
「渋谷シティ」
渋谷ショートショートコンテスト優秀賞受賞。
「我が家の食卓」
ベルモニーショートショートコンテスト入賞。
「電車家族」
隕石家族ショートショートコンテスト入賞。
「大男の力自慢大会」
「スカイフィッシング」
空想競技2020ショートショートコンテストW入賞。
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