策略結婚

私は幼い頃から姫様が好きだった。周りは性格の悪い姫様を嫌っていたが私は大好きだ。
私は将来、姫様と結婚したいと願った。しかしそれは出来ない。
姫様は他国の王と政略結婚させられるのだ。私はそれがとても悲しかった。

大人になった私は反乱を起こした。圧政に苦しむ民衆を引き連れ、城へと押し入った。
しかし、王は逃げ果せており、残っていたのは嫌われ者の姫一人だけだった。

民衆はそんな姫の処刑を望んだ。
私が姫の首に紐をかける。民衆の目の前で姫は絞首刑を受けた。

私は今、国から遠く離れた土地で妻と二人で暮らしている。
今日も妻は性格の悪い笑みを浮かべる。

「民衆共は今も私が死んだと思っているようだな。私の筋書き通りだ」

私は姫の処刑の時、首とは別に胴にも紐を括り付けていた。そう、姫は生きていたのだ。
性格の悪い姫は私と結婚できるよう、私に反乱を起こさせた。
性格の悪い私の姫君は今日も素敵だ。