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私が泡風呂にゆったり浸かっているといきなり扉が開いた
私は泡を食った表情で事の成り行きを見守った
すると駆け込み乗車にご注意くださいと言うアナウンスの声と同時にビジネスマン風の男女が狭い浴室一杯に入ってきた
まるで通勤時のラッシュアワーの様だ
ある少年が私に言った
一泡吹かせて下さい
私は良いですよと快く了承した
少年は喜び、ストローを液にどっぷり付け、フーっと吹く
すると浴室は大小のシャボン玉が無数に飛び交うホンワカした空間になった
だが、ビジネスマン達はそのシャボン玉を見た途端、シャボン玉を地面に落とさない様に必死で真下から息を吹きかけるといった奇妙な行動に出た
私は一体、どういう事なんだと聞くと、ビジネスマンは、もうバブルを弾けさせるわけにはいかないんですと必死で訴えた
私は皆、苦しくても必死で生きているんだと感激した
それと同時にあまりにも滑稽な姿だったので私の自殺は水の泡と帰した
公開:18/07/03 12:30
更新:18/07/03 14:39

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