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雲がたなびく世界には仙人が住んでおります。そこでは沢山の彩り豊かな花たちが香り高く、咲き誇っているのです。
ある晴れた日にひとりの女の子がやってきました。
「みゆきちゃんだね」
みゆきちゃんはずっと一点を見つめたまま、にらんだようなこわい顔をしています。
「お花が欲しいの!」
「あそこに咲いている赤々と燃えているバラをお家にもって帰るわ!」
「そしてわたしのお庭に咲かせるの!」
みゆきちゃんは雲の中に走り出しました。
「いけない!」
仙人はあわててみゆきちゃんの肩をつかみました。
「みゆきちゃん、これは誰かが咲かせた夢の花なんだ。だから大切に守ろう。誰かの夢の花は煌めいて美しい。でも奪ったりしてはいけないんだよ。それを手折るとみゆきちゃんの夢の花が咲かせられなくなってしまうよ。」
空の世界で今日もみゆきちゃんはお花に水をあげながらにこにこしています。
ある晴れた日にひとりの女の子がやってきました。
「みゆきちゃんだね」
みゆきちゃんはずっと一点を見つめたまま、にらんだようなこわい顔をしています。
「お花が欲しいの!」
「あそこに咲いている赤々と燃えているバラをお家にもって帰るわ!」
「そしてわたしのお庭に咲かせるの!」
みゆきちゃんは雲の中に走り出しました。
「いけない!」
仙人はあわててみゆきちゃんの肩をつかみました。
「みゆきちゃん、これは誰かが咲かせた夢の花なんだ。だから大切に守ろう。誰かの夢の花は煌めいて美しい。でも奪ったりしてはいけないんだよ。それを手折るとみゆきちゃんの夢の花が咲かせられなくなってしまうよ。」
空の世界で今日もみゆきちゃんはお花に水をあげながらにこにこしています。
その他
公開:18/07/05 05:24
透明な声。日々温めている思いを誰かに手渡したくてショートショートを書いています。
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