プリン姫物語

モリナガの国にプリン姫という美しい姫がいるとの噂があった。

ある日、メイジの国からスプーン王子がやって来た。
「我はスプーン王子。是非あなたにお会いしたく参上致しました！」
「ふん！　どうせ私を食するために来たのだろう？　帰れ帰れ！」
そう言ってプリン姫が姿を見せる事はなかった。

翌日、グリコの国からプッチン王子がやって来た。
「僕はプッチン王子。どこぞの王子みたいに食する気はありません！　どうか僕と会って下さい！」
「ふん！　どうせ私を城から連れ出すために来たのだろう？　帰れ帰れ！」
そう言ってプリン姫が姿を見せる事はなかった。

その後、何人もの王子がプリン姫に一目会おうとモリナガの国にやって来たが、誰一人として会えた者はいなかった。
そして月日は流れる……。


「プリン姫？　あぁ、美しいとの噂だったが誰もその姿を見る事が出来なかった姫ね。さすがにもう賞味期限が切れているだろう」