コーヒー

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「ねえ、一番おいしいコーヒーを知ってる?」

「なに?」

「誰かが淹れてくれるコーヒー。」

「自分で淹れてね。」

「んー残念。」

 しぶしぶキッチンに向かう。

 ポコポコとお仕事を始めるコーヒーメーカー。

「ついでに、君の分も淹れる?」

「いい。」

「そ。」

 淹れたてのコーヒーをテーブルに置き、椅子を引いて腰掛けようとした隙を狙って、自然な手際でカップがさらわれていった。

「ちょっ。」

 抗議の声をさえぎり。

「ねぇ知ってる?」

 ほころぶ口元を、マグで隠して。

「ひとくち奪うのが、一番おいしいんだよ。」
その他
公開:18/07/04 04:00

誰か

心楽しい読書になりますように。

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