ズル

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 約束の場所に行くと、彼は口笛を吹きながら待っていた。

「ごきげんですね。」

「あ、これは失礼しました。」

 ふと、悪戯を思いつく。彼ならば、このやり取りをお気に召すだろう。

「ところで、あなたは、ミステリーがお好きですね?」

「どうしてそれを。」

「先ほどの口笛の曲は、ドラマのポアロのオープニングでした。」
その他
公開:18/07/04 04:00
更新:18/10/09 01:20
タイトルに注目!

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