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「これで仕事の流れは以上だけど何か質問は?」
「ここって防犯カメラが沢山ありますけど、監視室のモニターには1F出入口しか映ってませんよね?」
「ああ、実は他のはみんな偽物さ。偽物でも万引き防止の効果はある」
やっぱりそうか…。
「このデパートは防犯に力を入れてるって聞きましたけど…」
「経費削減でね。それに普通なら夜間警備は君みたいなバイトじゃなく警備会社に頼むよ。じゃあ俺は仮眠するから。後はよろしく」
「マジっすか」
「こんな夜遅くに何も起こるわけないさ」
先輩はそう言って仮眠室に入り、しばらくすると寝息が聞こえてきた。
よし、今なら誰にも…。

十分後、俺は警備会社のスタッフに拘束されていた。先輩の姿を見つけて俺は叫んだ。
「くそっ、騙したな!」
「君を試したんだ。防犯に力を入れてるって言ったろ。君の犯行は防犯カメラで全て確認した。カメラは偽物じゃない。あの監視室が偽物だったのさ」
その他
公開:18/07/01 21:56
更新:18/07/02 07:13

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。

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