心削り

面接会場にたどり着いた。
自分が第一志望に挙げている会社の面接のため、かなり緊張している。しかし、面接ではそんな自分の緊張を顔に出さないように一瞬で孝之は心を殺す。

会社に入るとまわりにはは人が一人もおらず、受付にもAIロボの姿しかなかった。AIはホログラフで会場までの最短ルートを示す。その通りに行くと、【就職試験面接会場】の立て看板があった。

ノックを2回してから重い扉をゆっくりと開ける。
挨拶しようと頭を下げるが、目の前には誰もいなかった。
ただ、AIがズラっと5体ほど並んでいる。

孝之はAIに面接されるのかと少し驚いたが、すぐに気持ちを取り直した。相手がAIだろうが人間だろうが関係ない。いかに、自分が会社にとって効率的に利益をあげる人間なのかをアピールするだけだ。

孝之はこうしてまたAI相手に笑顔でハキハキとしゃべｒ心を少しずつ殺していった。