注文の少ない料理店

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今日も閑古鳥が鳴く店内で
店主は 深くため息をついた

今月も赤字だこのままだと
色々な支払いも滞る
愛着のあるこの店も
手放すしかない

すると久々にガタンと
扉が開いた

「いらっしゃいませ」

するとそこには
お世辞にもお洒落とは
言えないヨレヨレの服を着た
男が立っていた

「店長のオススメを一つ」

そう言い放つと男は
席に座り店内を見渡している

塩胡椒をして 粉を付けて…

いただきます



うむ これは
美味いと男は唸った

「こんなに美味しいコロッケは
生まれてはじめてだ」と呟くと


5分も経たないうちに
次から次にお客が来て
コロッケ定食を注文していく

支払いの際に男は

「私 銀河 美食三ツ星
認定委員長のケン・ジ・宮沢と申します

あなたの心の篭った
お料理を三ツ星に認定させて
頂いても宜しいでしょうか」

男の心の扉がガタンと開く音がした
ファンタジー
公開:18/07/02 07:55
更新:18/11/17 00:15

春星( 神奈川県 )

春星と申します

自宅では一児の親
職場では会社員

そして通勤電車の中では
自称ショートショート作家に
大変身‼︎

長い冬眠から目が覚め
久々に復帰しました
また皆様宜しくお願い致します!

 

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