赤い風船

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青空の広がる晴れた日の休日のこと。
公園を散歩していると、甘い香りが漂ってきた。

香りのあとを追ってゆくと、「焼き林檎 一個 三百円」とある屋台があり、真っ赤な服を着た可愛らしい少女が店番をしていた。
「ひとつください」と言ってもまったく反応はなく、林檎を焼き続ける。
耳でも悪いのかしら、と思いジェスチャーを交えてもう一度注文してみるが、やはり反応がない。
少女は黙々と赤い林檎を焼き続ける。
「お金はここに置くよ」と少女を押しのけようとすると、何処かで、ぷしゅぅぅぅぅという空気の漏れる音が聞こえた。
少女の身体はみるみると膨れ上がり、ついにただの丸い塊になると、ゆっくりと空にのぼっていった。
呆然としていると、店主らしい爺さんがやってきた。
「お客さん、勝手に膨らませちゃあ困りますよ」
と、また新しい少女を膨らませ始めた。

見上げると、青空に真っ赤な風船が漂っていた──。
ファンタジー
公開:18/06/30 18:43
更新:18/09/17 16:28

渋谷獏( 東京にいるけっどカンサイジ〜ン♪ )

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