「地球に乾杯」(月の文学館お題:ソーダと地球)

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ココナッツリキュールのマリブに柑橘の香るブルーキュラソーにトニックウォーターからなるカクテル、マリブサーフ。
グアムのビーチに沈む太陽を眺めながらグラスを傾ける。ココナッツの甘い風味と柑橘の爽やかな香りとソーダが喉を潤す。
心地よい味わいに浸りつつグラスを太陽に向けて掲げる。キラキラと青い色合いが緑色に変わる。
気泡が昇っては弾けていく様を眺めているうちに緑色が少しずつ青みを帯びてくる。
こんな風に見ていると時々思う事がある。
実は宇宙はこういう気泡の中にあるのではないかと。気泡の弾ける一瞬の中には永遠ともいえる時間があって、その中には銀河系があり太陽系があり、そして地球がある。
そして地球には大地があり赤道から少し北の島のホテルには私がいる。
そんな事を考えているとすっかりグラスが青色に戻ってしまった。
私はぬるくなったカクテルを飲み干しバーテンダーにアラウンド・ザ・ワールドを注文する。
公開:18/06/30 16:48
月の音色 月の文学館

ひさみん

ショートショートというよりも短編小説、掌編小説という感じになってしまうかもしれません。
自分のペースでやっていこうと思っております。
ショートショート・ガーデンにアクセスする頻度は高くありません。
1回のアクセスで多くても10作品見るかどうかです。すみません。

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