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スマホでrainを起動する。画面には雨水が溜まっていた。全て私の愚痴や悩み事だ。

rainは、TwitterやLINEの中間のようなSNSだ。愚痴や悩みを打ち込むと、雨水として画面に降る。雫をタッチすると大きく表示され、削除したり画面に固定できる。基本的に自分の雨水が画面に表示されるけど、他の人の雨水も見られる。リプライを送ることもできるし、ただ眺めて悩みに共感することもできる。
rainは他のSNSとは一線を画す規約がある。「ありがとう」と呟くと即退会させられるのだ。

私は「死にたい」と書き込んだ。今まで打ち込んだ中で最も短い。
しばらくして誰かからのリプライが来た。
「そっか。つらいんだね」
画面に水が滴る。涙だ。
知らない誰かなのに。
私は規約を忘れて「ありがとう」と書き込んだ。

雨水が消え、画面に曇りのない青空が映る。「またおいで」というメッセージと共に大きな虹が架かった。
その他
公開:18/06/29 17:41
更新:18/06/29 18:00

砂塵

読んでいただきありがとうございます。
話のおもしろさ云々はひとまず置いといて、とりあえず一本完結させることを重視して書いてます。
朗読ラジオ「月の音色リスナー」です(^o^)/
低浮上中なのでコメント返し遅れるかもですが必ずお返しします。

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