舐めたらしびれる学食

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「アキ君、席とっといてー」
「うん。わかったー。金ないから、素うどんでお願い」
「はいよー」
「うっす」
僕は、学食内の空き席を探した。おっ、あそこにちょうど二つ空いている。あそこにしよう。しかし、そこへ向かうまでの間に席が埋まってしまった。
くっそー。どっか空いていないかなあ……。
腰に衝撃。
なっちゃんがおぼんで僕をつついてきたのだ。
「なんだよー。まだ席見つかっていないの?」
「うん。一つだけ空いている席はあるんだけれどもね」
「もうそこでいいじゃん」
なっちゃんはズカズカと一つ空いた席へと進み、おぼんを置いて座った。
「ほら、アキ君も座って」
「うん」
椅子は一つ。なっちゃんと半分こで座る。
「さっ、お腹空いたし食べようか」
「そうだね」
「何? 私のカレーも食べたい? はーい、アーン」
なっちゃんが舐めたスプーン。味なんてわからなかった。舌がしびれた。辛さなのか、恋の辛さなのか。
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公開:18/06/28 23:47
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undoodnu( カントー地方 )

構成の凝った作品が好きです。
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