交差点

交差点の中央に一人の少女が蹲っていた
手には赤い傘を差し、黄色い長靴を履いている
なんでこんな場所に、もしかして家出
少女はシクシク泣いていた
私は少女に近付き、どうしたのと声を掛けた
すると少女は傘が汚れちゃったのと答えた
私はそうなんだ。でも、大丈夫よ。全然汚れていないわと慰めた
しかし、少女は泣き止まず、ううん、汚れているわ。こんな真っ赤に
私は最初は何色だったのと尋ねる
すると少女は黄色だったのと答えた。
私は、なんで傘の色が赤くなったのと尋ねた
すると少女はお母さんの血が辺り一面に飛び散ったのと震える声で言った
へぇ～、そんなんだ。私は一歩、後退りした
なんでそんな事に
車に轢き殺されたの
一体誰がそんな事を
それはね、お前だよ。お前が私の母さんを轢いたんだ
お前はあの時、飲酒運転がバレるのが怖くてその場を逃げたんだ
あと、そこでこそこそ見ているお前。自首しろ。さもないと呪うわよ