どら焼き恋物語

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食べたい!ふいに、そう衝動に駆られるのが、甘味堂の「大判どら焼き」だ。
僕は車で店に向かった。

心にポカンと穴が開いたとき、浮かんでくるのが甘味堂の「大判どら焼き」だ。
私は自転車に乗って店に向かった。

店に着いた。

ヤバい!ショーケースには、あと一つだ!

「どら焼きください!」
「どら焼きください!」

(まいったなぁ、けど)
(どうしよう、でも)

「どうぞ、僕はいいから」
「いえ、お譲りします」

彼は強引にも最後のどら焼き購入権を譲り、店を去った。

彼女がどら焼きを頬張り至福に包まれる。それでいいではないか。

気づいたら駆け出していた私。

僕を追いかけ転んだ彼女。

「大丈夫ですか?」
「はい。あのぅ……半分こ、しませんか。どら焼き」

二人で食べるどら焼きは、半分だけど二倍おいしかった。

彼女なら、幸せを分けあえる気がした。
彼なら、悲しみも半分になる気がした。
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公開:18/06/28 22:26
どら焼き 恋物語

豊丸晃生( 大阪 )

ショートショートの神様、星 新一を崇拝しています。
お笑い系のショートショートを中心に書いていきたいと思いますので、よろしくです(^^)。

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