炭酸JAZZコンサート

「炭酸JAZZ」という未開の言葉に誘われ、僕は地下１階へとやってきた。

炭酸しかないメニューを見ながら店員へ注文を言う。

「濃度はいかが致しましょう？」

のうど？と思いながらも、濃いめでと受け流す。

数十分後、炭酸を飲み終わったが、一向にコンサートが始まらないので、店員へ文句を言うと、店員は真顔で

「あなた出してないじゃないですか？」
「何がです？」
「ゲップを」
「ゲップ？」

急に空気が入り込み、トドのようなゲップが出た。するとステージ場で演奏が始まる。

「ゲップによってJAZZが流れるんです。３回なら３曲。濃いめの方が出やすいんですよ」

だから周りでカエルの合唱がしてたのか・・・納得するもまた疑問が増える。

「なぜJAZZなんですか？」

「歌謡曲とかバラードであれば、ゲップは不快に聞こえるでしょ？ でもJAZZはゲップは不協和音にならないんです。これ深いでしょ？」