おじいさんの御飯

そのおじいさんはいつも私の顔を見ると御飯に誘ってくれる。「ちょっと寄って食べていきなさい」そう言って、私の好物を出してくれる。

チュンチュン

喜び勇んで御飯を頬張る。ここで御飯を貰うようになってからずいぶんと経つ。私以外にも常連雀がいたようだけど、みんないつの間にか来なくなってしまった。他にも御飯をくれる人がいるのかな。それともどこかに引っ越したのだろうか。

今日もお腹いっぱいになるまでご馳走になった。なんだか最近太ってきたみたい。今日はいつもより運動しなくっちゃね。

チュンチュン。

挨拶をして飛び立つ。
「明日もおいで」おじいさんの声が優しく響く。

その日もおじいさんの家に行った。
「今日も来たね。ちょっと寄って食べていかれなさい」
そう言ったおじいさんの腕には三毛猫が抱かれていた。