しずくの恋

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いつから、と聞かれたらもう覚えていないくらい気づけばこの体質だった。

雨が降るとそれはぽたぽたと体を通り抜け、そして体は水玉模様になる。湿疹のような小さなスポットではなく、明らかなドット柄だ。色はまちまち。と、同時に雨に振られた数だけ体には言葉が駆け抜け、自分の意思とは関係なく様々な言霊が溢れてくる。

最初は誰にも言うまいと決めていたが、やはり簡単ではなく暫くしたら親に見つかってしまった。

母は、自分が娘に「しずく」という名前をつけたからだと泣いた。しかし強欲な父は、娘には特別な力があると周囲に言い散らし、たちまち私は人々に祭り上げられ水玉様などという名前で神社の奥に追いやられてしまった。

雨が降ろうが槍が降ろうが水玉色の皮膚になろうが私はわたしなのに。

誰かがいつか、そんな君がおもしろいと言って抱きしめてくれないだろうか。

神と崇められても、恋心は普通にあるというのに。
ファンタジー
公開:18/06/27 10:13

二十一 七月

にそいち なながつ

まずは100話お話を作るのが目標です。

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