一か八かのエレベーター

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俺が今勤めている会社の近くに「一か八かのエレベーター」なるものがあるらしい。
噂によるとそのエレベーターは、金銀財宝がたくさん置いてある夢のような部屋に止まることもあれば、ギロチン台やアイアンメイデンが置いてある地獄のような部屋に止まることもあるという。

「ああ、〇〇ビルにあるエレベーターのことだよ。ここから3軒隣の。××商事が入っているビルね」
同僚はニヤニヤしながら教えてくれた。何か良い経験をして、それを思い出しているのだろうか。

俺は昼休みのチャイムが鳴ると同時に、〇〇ビルへと向かった。
エレベーターは3基あった。
手始めに一番奥のエレベーターに乗ると、ビンゴだった。
エレベーターには停止階のボタンが二つ。
「1」と「8」だ。
単に地上階と8階を直通で結んでいるだけのエレベーターだった。
がっかりした俺は「8」のボタンを押してエレベーターを上昇させた。
一か八か、八に賭けたのだ。
ミステリー・推理
公開:18/06/24 19:27
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undoodnu( カントー地方 )

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