微熱のノート

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私の大学はキリスト教系の授業が必修だった。
試験の内容が難しい代わりにノートを持ち込める「聖書の思想と文化」を履修していた。

事前に大量の書き込みをし、試験に臨むことにしたが、当日の朝、ノートは熱を帯びていた。
体温計をノートに挟むと「36.9」と表示された。

微熱だからと気にせず登校したが、試験が始まりノートの表紙をめくろうとすると、ずっしりと重たく、だるそうだ。

記述の大問が8題。
6問目に取りかかった頃、ノートは突然嘔吐した。

すぐさま駆けつけた大学の職員達は、慣れた手つきで机からこぼれ落ちた文字や黒鉛の粉を片付けていく。
「この授業、多いんですよね。ノートの体調不良。プレッシャーでしょうかね。ここは片付けて新しい回答用紙置いておくので、服についた黒鉛、トイレで落としてきてください」

席に戻った時には、ノートは真っさらで、私は在学中で唯一、この科目の単位を落としたのだった。
その他
公開:18/06/25 07:40

ぱせりん( 千葉 )

北海道出身です。

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