炭酸JAZZ

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とある郊外の寂れたジャズクラブ。

まれに客の多い日は「炭酸ジャズ」を聞くことができる。
多くの客の呼吸によって生まれる二酸化炭素を特殊な音響装置へ流し込み「炭酸ジャズ」を作るというしくみだ。
ジャズはリズムが重要な音楽であるが、炭酸ジャズはまさにそのリズムに合わせ炭酸と音の波が聴く者の身体にシュワシュワと流れ込み、一体感とともに弾けるような爽快感を得ることができる。そうなった時の客席の盛り上がりは最高潮だ。
時間が経つと炭酸は抜け、音響装置は普通のジャズを流すようになる。
血中にふんだんに炭酸ガスを取り入れた客たちは、酸素不足によりフルマラソンを走った後のようにヘトヘトになって店を後にする。もうしばらくジャズクラブはいいや、と思いながら。

これジャ〜ズっと客が増えないわけだ。
その他
公開:18/06/23 00:30

きゅい

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普段は漫画をかいたりしています。
ツイッター@kyuimuni

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