炭酸jazz

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コンビニで「炭酸ジャズ」という見慣れない飲み物を見つけ、買って帰った。夕飯時に飲もうとすると、
「あら、何それ美味しそうじゃない」
と母が言い、
「俺にも少しくれ」
と父が言い、3人でグラスに分けた。妹が何故かニヤニヤしている。
一気に飲み干す。炭酸が指先まで行き渡り、体が勝手にスイングを始める。
母さんがジャズのリズムでフライパンや鍋を叩き始める。父さんが、昔俺が使っていたピアニカと縦笛を持ち出し、ピアニカを弾き始めた。俺は縦笛を吹き、セッションが始まった。妹が楽しそうに体を揺らしている。俺が縦笛を吹くと、父さんがピアニカで応える。心地よいフライパンのリズム。最高だ!

「お兄ちゃん、動画上げといたよ」
炭酸ジャズのラベルには、『皆でジャズろう!』『動画投稿キャンペーン』
『優秀作にはジャズの本場ニューオリンズ旅行プレゼント!』
そんなわけで、俺は今ニューオリンズでジャズを聴いている。
ファンタジー
公開:18/06/24 11:52

むう( 地獄 )

人間界で書いたり読んだりしてる骸骨。白むうと黒むうがいます。読書、音楽、舞台、昆虫が好き。松尾スズキと大人計画を愛する。ショートショートマガジン『ベリショーズ 』編集。そるとばたあ@ことば遊びのマネージャー。

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