青碧の深海

深海には竜宮城ホテルがある。築十万年の老舗である
見た目は、すぐにでも潰れそうな安ホテル
それでも、なぜか繁盛している。
何でって聞いてみると、空の上から建材や貴金属、金塊が降って来るので資金には困らないと言う

それでも問題点はいくつかある
それは現地集合、現地解散であることだ。簡単に現地集合と言われても深海まで来るのには莫大な資金が必要になる。だから、ここのお客は皆、目が飛び出るほどの大枚をはたいていたり、足長のおじさんと一緒に来る
出される食事は闇鍋。何が入っているのか誰も分からない。もしかすると鰈かも
宴会の催し物はサンゴショーや道を案内するロードショー、海藻がお店を改装したという回想録を延々と聞かされる。一時間後には冷え性に

それでも良い所も沢山ある。
ホテルの近くまでくれば提灯を持ったアンコウが出迎えてくれる
警備も万全だ。ホテルの周りを魚たちが目を光らせて警戒してくれている