脱出ゲーム

タイムリミットが刻々と迫ってきた。

私は妙なサイトから、ハデスという男が主催するゲームに参加することになってしまった。借金返済のためだ。このゲームをクリアすれば借金をチャラにしてくれるらしい。藁にもすがる思いだった。しかし、問題をクリアしなければ、今いる部屋からの脱出はできない。
目の前にあるプレートを組み合わせると扉が開く仕掛けになっている。Ａが２枚、Ｂが１枚Ｃが１枚の計４枚だ。順番を間違えると死を意味する。通気口から毒ガスが充満するのだ。
「お困りのようですなゲストくん」
モニターに黒い男の影が映った。このゲームの主催者ハデスだ。
「た、たのむ！ヒントをくれ」
「いいだろう。ヒントは、君のことだ」
「私？」
まさか……しかし。
あと１分。
「ち、ぐ、しょ〜〜っ‼︎」
私は断腸の思いで４枚のプレートを壁の窪みにはめ込んだ。

【ＢＡＣＡ】

扉は開かれた。
借金は消えても傷は消えない。