おもいでオルゴール
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数日前に逝った妻からの最期の言葉は、「タンスの上から2番目の引き出しを見て」というものだった。タンスからは手紙と注文票が出てきた。
手紙を読むと、注文したものを受け取りに行って欲しいとだけ書いてあった。
「すみません、受け取りにきたのですが…」
「はい、注文票は…ありがとうございます。少々お待ちください」
少しして、店主が俺に手渡したのはふつうの“オルゴール”だった。
家に帰ると、すぐにオルゴールを開けてみた。
そこから、流れてきたのは…初めて二人で見た映画の主題歌。
その時、まだ彼女だった妻に言ったのだ…。
「あなたとずっと一緒にいたい」と。
ずっと覚えていてくれたなんて…。
皺だらけの手で、オルゴールを抱きしめた。
そういえば、店を出るときに店主がこう言っていた。
「この店の名前は…おもいでオルゴールです」
手紙を読むと、注文したものを受け取りに行って欲しいとだけ書いてあった。
「すみません、受け取りにきたのですが…」
「はい、注文票は…ありがとうございます。少々お待ちください」
少しして、店主が俺に手渡したのはふつうの“オルゴール”だった。
家に帰ると、すぐにオルゴールを開けてみた。
そこから、流れてきたのは…初めて二人で見た映画の主題歌。
その時、まだ彼女だった妻に言ったのだ…。
「あなたとずっと一緒にいたい」と。
ずっと覚えていてくれたなんて…。
皺だらけの手で、オルゴールを抱きしめた。
そういえば、店を出るときに店主がこう言っていた。
「この店の名前は…おもいでオルゴールです」
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公開:18/06/21 13:14
書くこと、読むことが大好きな社会人3年生。
青空に浮かぶ白い雲のように、のんびり紡いでいます。
・プチコン「新生活」 優秀賞『また、ふたりで』
・ショートショートコンテスト「節目」 入賞『涯灯』
note https://note.com/sumire_ssg
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