雨時々彼

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14時を回っても私はベッドから出られず、結局今日も講義をサボってしまった。

連日の雨に低気圧。ダラダラも仕方がない。
雨粒が窓を叩く音を子守唄に、まどろみに身を任せようとしたその時。

「佐伯おるかー?俺や」

居留守を使う手もあったが。

「山本ー?」

布団からのろのろ抜け出し、寝間着のジャージで玄関へ向かう。ビニール傘を抱え少し雨に濡れた山本を迎え入れた。

「佐伯、単位やばいんちゃうん」
「やばいわー」
「なんで学校こおへんねん」
「雨やし、だるかってん」
「ふうん。晴れたら来るん?」
「うーん」
「まあ元気ならええわ。俺ゼミあるから」

山本は見舞いのつもりで買ったらしいチョコを置いて雨の世界へ戻っていった。
玄関が閉まる拍子に、外の湿度が鼻先に触れる。
外に出る気分にはやはりなれないが。

「そういうとこやで〜」

明日は雨でも、学校へ行こうかな。
チョコを齧りながら思った。
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公開:18/06/22 20:00

きゅい

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普段は漫画をかいたりしています。
ツイッター@kyuimuni

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