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まただ。また出てきてしまった。
わつぃだ。
わつぃは私の内なる部分であるらしく、感情が高ぶるとときどき出てきては、私が留めておきたいことを表に出してしまう、相当に厄介なやつだ。
私は取引先の人や気になる彼とのやりとりの間にわつぃが出てきてしまわないよう、細心の注意を払って生活していた。
わつぃが入り込む隙などないように、常に冷静かつ完璧でいること。それが私を保つ唯一の方法だった。
なのに。
気になる彼に唐突に話しかけられて舞い上がった私は、うっかり彼の前でわつぃを出してしまった。
彼は謝る私に一瞬キョトンとしたあと吹き出すように笑って、
「でも、隙のないいつもの山辺さんより、可愛くて僕は好きだなあ」
と言った。
こうなると、もうわつぃを留めておくことなんて、できやしなかった。
冷静さも完璧さも全て吹き飛んだ状態で、わつぃは彼にお礼の気持ちをぶつけた。
「あの、ありがとうごじあmす!1!」
わつぃだ。
わつぃは私の内なる部分であるらしく、感情が高ぶるとときどき出てきては、私が留めておきたいことを表に出してしまう、相当に厄介なやつだ。
私は取引先の人や気になる彼とのやりとりの間にわつぃが出てきてしまわないよう、細心の注意を払って生活していた。
わつぃが入り込む隙などないように、常に冷静かつ完璧でいること。それが私を保つ唯一の方法だった。
なのに。
気になる彼に唐突に話しかけられて舞い上がった私は、うっかり彼の前でわつぃを出してしまった。
彼は謝る私に一瞬キョトンとしたあと吹き出すように笑って、
「でも、隙のないいつもの山辺さんより、可愛くて僕は好きだなあ」
と言った。
こうなると、もうわつぃを留めておくことなんて、できやしなかった。
冷静さも完璧さも全て吹き飛んだ状態で、わつぃは彼にお礼の気持ちをぶつけた。
「あの、ありがとうごじあmす!1!」
その他
公開:18/06/22 19:30
更新:18/06/22 21:16
更新:18/06/22 21:16
打ち間違いの輪
尾根ギアへのオマージュ
高野ユタというものでもあります。
幻想あたたか系、シュール系を書くのが好きです。
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