青碧の深海

深海には海底都市が存在する。交通手段はバスである。料金はタダ
当然、道路も信号機も整備されている。実に行き届いた行政サービスである
しかし、このバスに乗るお客はなぜか皆、ナーバスな顔になる
理由を聞いてみると、この都バスは、道路の制限速度を超えてガンガン飛ばすからである。時には泳いでいた魚民を跳ね飛ばす事もある。
だから住人からはブラックバスと呼ばれている。
そんなある日、このバスでバスジャックが起きた。犯人は乗客にジャックナイフを振りかざし、抵抗するなと脅迫する。
一方で、警察からは出来るだけ話を引き延ばす様にとイヤホンマイクに要求がくる。どうすれば良いのだ。
そんな時にも関わらずバスの運転手はいつも通りガンガンスピードを上げる。私の頭の中では明日の朝刊の一面が浮かんだ。
悲劇、バスローブ姿の中年、キャンバスを手に持ち、死亡
乗客は皆、マグロになったと
ガタッ
バス　ガス　大爆発