餃子の羽はなぜ付いてるか

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「餃子の羽ってなんの為にあんのかな?」
俺らはいつものように体育館にいた。ロドは俺らのチームのセンターだ。デニス・ロッドマンみたいにリバウンドがすげえ。でも、試合中に怪我してから、前みたいに跳べなくなってた。
「餃子は羽があっても飛べねーじゃん。」
「バカ、あれは食うためにあるんだよ。」
「うるせ。」
ロドは俺を軽く叩くと、
「飛べない羽なんて意味ねー。」
と呟いた。俺は慌てて言った。
「ほら、進化の過程では退化するものも出てくるし。進化には、えっと変化も必要なんだよ。」
「俺も進化してるってわけ?」
「そうさ。ジャンプがダメなら、ドリブルやパスやシュートが進化すれば。」
ロドは「そか。」とニヤリと笑った。

漫画みたいな話だけど、その後、ロドはマジ進化した。センターから、スリーをポンポン決めるシューターになっちゃったんだから。

俺の見事なアシストのお陰だって思ってるけどね。
青春
公開:18/06/22 12:50
更新:18/06/22 16:37

むう( 地獄 )

人間界で書いたり読んだりしてる骸骨。白むうと黒むうがいます。読書、音楽、舞台、昆虫が好き。松尾スズキと大人計画を愛する。ショートショートマガジン『ベリショーズ 』編集。そるとばたあ@ことば遊びのマネージャー。

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