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 白いベッドの脇の花から匂いが漂う。
 真っ白な部屋に一人、その匂いを嗅ぐ。
 もう何年になるかしら、ここに来てから。
 ……ああ、そうね。『アナタ』がいなくなってからだわ。その時から、私はここで一人なの。
 目を閉じているけれど、不思議ね。まるで、部屋の様子が見えるの。
『アナタ』が笑顔で笑って私を見ているのも、全て見えるのよ。
 起きているか、寝ているかわからない毎日で、私はここにいるの。
 ……ねえ、そろそろいいかしら?
 何度尋ねたかしら。『アナタ』の返事はいつもNO。
 だから、今日もそう言われるとおもいつつ、尋ねたわ。
 そうしたら、『アナタ』は手を差し伸べてくれた。
 私はその手を取って、喜びに溢れた。
 花の匂いが強くなる。
 そこは、満開の花畑――
ファンタジー
公開:18/09/02 11:11

メム( 北海道 )

思いついたままに、文字を綴る。

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