満念筆 <病>

27
26

「ぉはょぅ高橋さん」
あ、目を逸らした。君はいつも恥ずかしがって聞こえない振りをする。顔をしかめているのは嬉しくて頬が綻んでしまうのを我慢してるんだ。そんな君の仕草に僕はいつも口元を緩めてしまう。だらしなく笑っているように見えたとしても君のせいだから仕方ないよね。君が僕の告白を待っている事はわかってる。最近君が青木と一緒にいる事は知ってるよ。僕の気を引くために無理してるんだよね。でも屋上で青木とキスしてたのはショックだった。当然見てたよ。高橋さんも辛かったよね。待たせてごめん。手紙を書いて君のカバンに入れておいたよ。とある店で手に入れた満念筆で。万年筆じゃなくて満念筆。これは書き手の念や感情を込める事が出来るらしいんだ。口下手で言葉足らずの僕の気持ちが、きっと君に伝わると思う。

翌日、高橋さんが学校を休んだ。僕の手紙が嬉しくて眠れなかったのかもしれない。

見舞いに行ってあげなくちゃ…。
恋愛
公開:18/09/02 01:12
更新:18/09/03 00:01
すみれ 「満念筆」

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容