夏の徒花

驚いてしまった。普通の紫陽花には種が無いというのだ。なんだかとても罪作りな花のような気がして調べてみた。

そもそも花弁だと思っていた部分ですら実はそれでなかった。ガクの部分が花弁に見えてしまう装飾花と呼ばれるものらしい。子供の頃に習った気もするのだけれど綺麗さっぱり忘れてしまっていた。

昔々、自生していた紫陽花の中で特にガクが大きいものがあった。それは確かに美しい。けれどガクが邪魔をして種を作ることができない。だのに昔の日本人はそれを美しいと感じ、有ろう事かわざとガクだけが大きくなる紫陽花を作ってしまった。全くなんてことをしやがる。

だから普通の紫陽花は挿し木でしか増やすことができない。あんまりな話だと思う。「移り気、浮気、冷酷、高慢、無情」其のくせ花言葉も酷いものばかりだ。

調べていく中で、もう一つだけ驚いたことがある。
誕生花という欄には何故だか自分の生まれた日が書かれていた。