闇のケツベロス

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冥界の扉。
番犬ケルベロスが目を光らせていると一人の爺が。
「あんたがケツベロスか」
『ケルベロな。生者だな、失せろ』
躊躇なくケツを出す爺。
「さぁ、噛みつけ!」
ぼけてんのか?
「昔、戦地で仲間にきいた!生前に尻拭いされた者はケツベロスにケツを喰われると」
知らねぇ。
「仲間は戦地でケツごと吹き飛ばされた。ばあさんも先日……。もう、わしは独り。その扉の向こうに行かせてくれ。頼む!ケツをがぶっと、ケルベロスや」
言えてるじゃん。ケツを震わせてよ。
『いかにも俺はケツベロス。ほら、顔を見な』
変顔で俺は顔をケツにした。今、三つの顔は六つに割れている。
『生きていれば、人に助けられることはある。今、死んだら、死者に尻向けできないぜ。ケツを洗って出直してきな』
爺は驚いた顔をし、帰っていった。
扉の前に軍服の若い兵士と婆が立っていた。
おい爺、きったねぇケツ、ちゃんと拭けよ。そのひでぇ顔もな。
その他
公開:18/09/03 11:56

そるとばたあ( 神奈川 )

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